仏師が教える仏像の価格

この仕事をしているとこんな声を聞きます。

 

『デパートで仏像の価格が2万円位で売っていた仏像も仏師が彫っているの? 』

『骨董屋さんで良い仏像を買ったので見てくれないか?』

 

こういう仏像のほとんどが海外製品でした。何と言っていいか言葉に詰まる事があります。

 

こちらではそういった仏像の価格の違いを載せて行こうと思います。

<決して海外製品の仏像の批判目的のブログではないです>

 

一般的には海外製の仏像は価格が安く、日本製が高い。そして市場で販売されている仏像のほとんどが海外製品です。

 

 

<では日本製と海外製の価格の違いはどうして現れるのでしょうか?>

 

・日本の職人の仏像では、一体一体の受注生産が基本であり、手間がかかり最低でも一ヶ月の時間がかかるので価格も高い。

 

・海外製の仏像は、ほとんど大量生産の機械で作られた仏像であるのでコストが安く抑えられるので安い。

 

昔の日本では服や製品等、日本製が当たり前でしたが生産性やコストパフォーマンス等の理由でこの大量生産を導入したので仏像も自然な、なりゆきでこうなったかもしれませんが、私は少し寂しい気がします。

 

 

<では大まかに価格の分類をしていきましょう。>

 

安い順に並べて行きます

 

 

①海外で作られた大量製品の仏像

<価格2万円〜10万円程>

 

市場に出ている仏像のほとんどがこのタイプ。

 

 

<特徴> ・ヒノキと明記しているのですが海外の木材です。臭いをかげばヒノキの臭いではないのですぐわかります。ヒノキ以外の明記の木材もあり

 

・全体的に接着剤を使っているので特に台座等は分解出来なく破損した場合、修理は難しい。

 

・値段が安いから質素かと思うが台座、光背は機械で細かく細工されているが全体的に簡略化されている。

 

・彫刻刀のタッチではなく機械の削りなので仏師の仏像と比べてしまうと表情は冷たい印象がある。 しかし、若い層では飾る用として購入される方も多く、拝む対象としてではなく心の安らぎを求めて購入する方が多いので予算がなくて、内容は特に気にしない方はこちらを選んでいいと思います。 

 

 

 

②海外生産の仏像に彫刻刀のタッチを加えた仏像

<価格5万円〜20万円 それ以上にしている事もあります>

 

最近は、美術館等の企画展や骨董屋さんで見かける様になりました。

 

<特徴> ・こちらも海外の木材です

 

・こちらも修理の事は上と同じ

 

・こちらは機械仕上げの上から彫刻刀でタッチをつけるのでノミの質感が出ますので手彫り感が出てきます。

 

本業の目からすると全体的にノミのタッチがバラバラで繋がっていない。 こちらは美術館で仏像を見に行く方が買ったという話を耳にします。

 

 

③若い仏師の仏像

<価格 20万円〜60万円 仏像の種類によってはもっと高い> 

<特徴>  ・国産の木材(仏師によっては用途で海外の木材を使う事もある)

 

・基本的に修理の事は考えられていますが、技術を要する一木造りを使う方は全て1つの木でやるので分解はできない。

 

・手彫りで仕上げるので仏像で最も魅力的な衣のラインの柔らかな線や顔の表情等が豊かに表現されている。しかし手彫りなので最低1ヶ月は要するので、その分だけ値段は高い。

 

・宗派によっては仏師の仏像でないと木仏点検が受けれない事があるので注意

 

 

・仏師によって、仏像のバランスや顔の雰囲気が違うので、自分の好みの仏師を探す方が良い。若い仏師であればネットで情報発信をしている方が多いので『仏師』と検索すれば出てくる。 個人のお客様からお寺様まで幅広く仕事をしています。   ④<師匠クラスの仏師>

<価格 師匠によって変わるので一概には言えません>

 

・このクラスになると弟子を抱えている程の腕をもつので仏像の完成度と顔の魅力は素晴らしいものがあります。

 

・仏像を木から迎える心構えや日本独自の精神で仕事をするという感覚をもっている方が多いです。

 

・予約待ちの場合が多いので前もって予約しておく場合が多い。値段は若い仏師と比べたら高くなります。 お寺様クラスの大きい仏像をしている方が多いです。個人のお客様もあり。

 

 

私、個人は若い仏師ですが、仏像の事で悩んでいる事があれば気軽に相談してください。海外製品の仏像を考えている方でも大丈夫です。