
今回の修復は、前回に続いて仏像の台座部分。長年の使用や環境の影響で、木部に腐食が見られました。
まずは腐食した箇所を丁寧に補強し、漆を用いて「木固め」を施します。

これは、木材の強度を高めるための大切な工程。台座の組み立てが正確に行えるよう、木をしっかりと固めておく必要があります。

折れてしまっていた部分には、漆を調合して接着剤をつくり、慎重に接着。

連弁(れんべん)と呼ばれる蓮の花びらのような装飾を、ひとつひとつ貼り合わせていきます。

さらに、補強のための木棒を新たに加工し、差し込んで固定しました。
本来であれば、蓮台の下にも装飾パーツが付く仕様ですが、今回はお客様とご相談のうえ、安定性を重視し「固定用の台」のみを設置することに。見た目の美しさと安全性の両立を図りました。

お客様から「見違えるようだ」とのお言葉をいただき、職人として何よりの励みとなりました。
仏像のの修理、修復のご相談はお気軽にご連絡ください。
コメントをお書きください