能登半島地震による仏像の応急処置 

 

当工房は半年前から能登半島地震で破損した仏像の応急処置活動をしています。

先月まで穴水町に行っていましたが、そちらは全て終わり、今回は七尾市のお寺様になります。

 

御住職から許可をいただきましたので、その様子を少し紹介したいと思います。

 

 

こちらは地震で破損した仏像の一部。

 

破損した仏像を見ながら段取りを決めていきます。今回は1人なので要領よく進めていかないといけません。


午後から違う場所の応急処置予定がありますので間に合うように考えていきます。

 

 

 

接着は膠を使います。

 

膠は後に修理をする際に剥がしやすいので今後のことを考えて使用します。

 

膠は固形のものを湯煎して刷毛で付け貼り合わせます。その後圧力をかけていきます。

 

冬場は直ぐに乾いてしまいますので膠を調整していく必要もあります。

また圧力のかけ方も少しコツが必要です。

 

 

蓮弁の破損

 

どこのお寺様も蓮弁の破損がありました。

 

蓮弁は下から上の方に行くに従って蓮弁の大きさが違いますので大きさを確認しどこの位置につくのかを決め接着していきます。

 

 

光背の破損

 

先端の反りがある光背は、地震でこのような壊れ方をします。他のお寺様では、もっとバラバラになっているところもあり、部品を探すところから始まります。

 

今回は全て、部品がありました。

 

 

綺麗に元通りになってホッとしました。

 

 

応急処置待ちの仏様。嬉しそうに見えます。

 

 

無事に三体とも元通りになり安置できました。

 

御住職はこれで年末のお掃除もできるとおっしゃっていました。

ご住職も安堵の表情を浮かべていました。

 

 

「仏像の注文、または修理について」

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工房 仏師 坂上俊陽

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石川県金沢市御影町5−26

 

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コメント: 1
  • #1

    大和田 馨 (木曜日, 05 12月 2024 10:43)

    お疲れ様です。地元とはいえ、被災された仏様を修復されている姿には、本当に頭が下がります。今後ともご活躍される事を心からお祈りしております。