当工房では破損した場合でも修理出来るつくりにしてあります。

市場に出ている仏像で仏師ではない仏像のほとんどは、大量生産の仏像なので強力な接着剤を使っています。

 

部分的に修理する事が出来ません。

 

 

<強力な接着剤を使っている場合>

次の世代まで長持ちする耐久力がありません。合成の接着剤は硬化します。

一見頑丈でいいと思うのですが、木は乾燥しても水分は必ず残ります。

 

日本は四季の変化によって湿度や気温が変わってくるので、その時に多少ですが木の中の水分が動きます。それと同時に木も多少伸縮するのです。

 

昔から使われている<自然塗料の漆や、膠の場合>は、木が伸縮した場合、漆や膠もそれに応じて伸縮すると言われています。

 

 

一緒に伸縮すれば木に余計な負荷もないので割れにくくなります。

 

 

 

先人の仏像を修理する機会に恵まれ、その先人の仏師が次の世代に技術や大事な思いを託すと同時に依頼主が、何の為に、どうしてこの仏様が出来上がったのか、修理した仏像や時に体内から出てきた巻物に記されたその思いは大変感動するものがありました。

 

それ以来、後世に伝えたいという思いを受け継いでいく事が大事だと思い、このような方法を続けていきたいと思っています。

 

 

<当工房の仏像はどのような構造になっているか台座を動画で>

 

昔の仏像は、そういうことも考慮していたので今でも1000年も経って残っている仏像があるのだと思います。

 

いつまでも次の世代へと残していくには修理が出来る仏像が不可欠です。修理の技法は昔ながらの技法なので、私がいなくても次の世代が修理できるので、受け継いでいけます。