2024年

6月

30日

能登半島 穴水町 仏像の応急処置


当工房では能登半島地震で被害の受けた仏像の応急処置活動を行っております。国の文化財レスキュー事業。

前回の活動に続き今回も穴水のお寺様になります。


穴水町は海が綺麗で晴れると気持ちが良いです。
実は先週から雨予報が続いていましたが、この日だけ綺麗に晴れ。

 


仏像の状態を確認しアシスタントと話し合って確認していきます。

破損状態が地震の大きさを物語っていました。
前回、訪れたお寺様の仏像と同じ壊れ方をしていました。

仏像を作る側として強度を考える機会にもなりました。

 


先人の技術を肌で感じつつ、先人の残した大事な仏様を残し続けていかなければならないと思うばかりです。

綺麗に組み立てることが出来ましたが写真は応急処置の様子だけにしておきます。写真の許可は御住職よりいただきました。


今回、使った膠は少し乾きが遅かったので近くのお寺様に行った際にもう一度、確認出来たらと思います。

読んでいただきありがとうございました。

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2024年

6月

27日

仏壇に納める仏像 故人のために迎える仏像販売

今回は故人の為に迎える仏像のご依頼です。

 

今回は薬師如来坐像になります。

 

一般的には家庭の仏壇に納める仏像は阿弥陀様やお釈迦様が多いのですが、薬師如来像に思い出があるという事でこちらの仏様になりました。大切な方の為に何か形を残してあげたいという気持ちが伝わります。

 

 

薬師如来とは

 

疫病やケガなど、痛みや苦しみから救ってくださる仏様と言われています。

そして左手を前に差し出し薬壺を持つことが多いです。

 



今回、使用する木材は木曽檜です。日本で古来から愛されているヒノキの中でも木目、質感が最高品です。

 当工房でもお勧めする木材です。


荒彫り

木から仏様を彫り出していきます。

 


大まかな形が出てきました

 

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2024年

6月

15日

能登半島 仏像応急処置


能登半島で地震の被害にあったお寺様の元へ行き仏像の応急処置をして来ました。国の文化財レスキュー事業です。

本当は直ぐにでも行きたかったのですが正式な手続きをとり許可がおりるのに時間がかかりました。

 


今回は穴水のお寺様へお伺いしました。

近くにもお寺様があるのでそちらも次回。


地震で倒れ破損している仏像が多くあり応急処置をさせていただきました。
1日で4体の仏様があり一人では難しいのでアシスタント3名を連れて行きました

 


本当は完成写真を載せたい所ですが、控えさせていただきます。

今回の活動では多くの方から支援を頂いた能登支援ステッカーの売り上げの一部を使わせていただきました。

このような活動が出来るのは皆様のおかげです。
ありがとうございました。

2024年

6月

01日

金箔の阿弥陀如来坐像

金箔の阿弥陀如来坐像のご依頼

個人のお客様です。金箔の仏像は漆を塗って金箔を貼るのでお時間が彫刻だけの場合と比べて2倍程かかります。

木彫りの阿弥陀如来坐像


金箔を貼る前の仏像です。

金箔の阿弥陀如来坐像


金箔を貼った状態

だいぶイメージが変わります。

金箔の阿弥陀如来坐像


顔の雰囲気も変わりました。

金箔は漆で接着していますので耐久性が高くなります。特に傷つけない限り数百年の耐久性が出ます。


そのような理由も含め、お寺様では金箔を貼ることもあります。

工程動画をYouTubeでまとめました。よろしければご覧下さい。

 

 

仏像の注文、問い合わせは気軽にご連絡ください。

 

仏師 坂上俊陽

 

2024年

4月

13日

故人の為に迎える仏像 阿弥陀如来像

今回のお仕事は仏壇に入れる仏像になります。

今回の仏像は故人の為に迎える仏像となりますのでいつもよりオリジナル要素が入ります。よろしければ最後までご覧下さい。


今回も綺麗な木曽檜です。たまに色の違う筋が出てきて彫り直す事もありますが大丈夫そうです。


叩きのみで形を出していきます。この仕事の楽しい所は角材から仏様が出てくる様子を見ることが出来ること。


荒彫りで大まかに形を出しました。木の表面に色斑や筋も出ないようで安心しました。今後、修理が出来るように手は別々で彫ります。

 


手の彫刻

 

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2024年

3月

11日

水子供養 わらべ地蔵

今回のお仕事は水子供養のわらべ地蔵です。
お地蔵さんの子供の姿になります。顔と体の大きさのバランスを変える事よって幼いお地蔵さんになります。そこはお客様と相談して決めていきます。
笑顔でふっくらと優しい顔にしていきます。



木目の細かい基礎日のを使用します。ここから彫り出していきます。

 


ノコギリなどを使用し荒彫りで輪郭を出していきます。


大まかに体を彫り出します。

 


全体的に形を出して細かい所を仕上げ用の彫刻刀で整えていきます。

 

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2024年

3月

04日

仏師が彫り出す木彫りの大黒様

木彫りの大黒様

 

今回のご依頼は大黒様です。

 

大黒様は七福神の一人で五穀豊穣、商売繁盛、学業成就など縁起の良い神様として有名です。

 

事業をされている方からの注文が多く飛躍の意味を込めて動きを付けたポーズを入れる事が多いです。

 

踊り大黒天

 

踊り大黒天なども人気です。

 

ご依頼主様は新しい事業に挑戦していこうということで一歩踏み出して小槌を打ち出すポーズになりました。

 

今回は大まかに工程の紹介をします。

 

 

 

木材は木曽檜です。木目が詰まっているので顔を彫り出す時に優しい表情になりそうです。

 


荒彫りで形を出していきます。

 

木彫り大黒
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2024年

2月

21日

手のひらサイズの観音様

手のひらサイズの観音様:小さな仏像は個人のお客様から念持仏のようなお守り仏としてもご依頼をいただきます。

 

 

今回のお仕事は観音様のシルエットや衣を引き立たせます。

光背は無しで台座もシンプルになりました。

 

 

シンプルにすると仏様に目がいきますね。台座や光背をこだわるのも良いですが、今回みたいにシンプルにすると仏様が引き立ちます。こちらはお客様と相談したオリジナルのデザインです。

 

 

素材は木曽檜。木目の細かいヒノキです。質感も良いのでお客様にも喜ばれます。
ご縁をありがとうございます。

誰かにとって特別であればいい。その様なコンセプトで当工房はこれから出会うお客様にとって特別となる仏様を迎えていきたいと思います。

 

「仏像の注文について」

気軽に問い合わせ下さい。

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2024年

2月

03日

仏師の木彫り布袋様の魅力と作り方。手彫りのオリジナル仏像。

今回は当工房のオリジナルの布袋様の彫刻を紹介します。

 

布袋様(ほていさま)とは
七福神のうちの1人で袋を持った笑顔が印象的です。この袋の中には宝物がいっぱい入っています。
笑う門には福来るという縁起物として良く飾っているお家が多いです。

開運や夫婦円満、子宝、無病息災、商売繁盛、など、さまざまなものがあるといわれています。当工房には様々な思いを持って手彫りの仏像をご依頼される方が多いです。

木彫りの布袋様 販売
木彫りの布袋様

 

こちらが当工房のオリジナルの布袋様です。

お客様と相談して決めた図案になります。


早速、彫刻の様子を紹介していこうと思います。この木の塊から彫り出します。

木曽檜


木材は上質な木曽檜を使用します。
木目が細かいので顔の表情が綺麗に出ます。

木彫りの布袋様 通販

 

叩きのみで形を出していきます。ここは大きく木材を彫っていきます。

 

木彫りの布袋様 通販
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2024年

1月

19日

石川県金沢市 仏像の修理

能登半島地震の揺れで破損した仏像の修理をご依頼を頂きました。

仏像の修理 石川県

 

破損状態

 

台座は落下して破損が多い部分があります。光背は無い部分もあり触るとバラバラになりそうです。

 

 

仏像の修理 石川県

 

破損したパーツが多くあります。

 

この仏様はご先祖さまが大事にして何代も受け継いでいるようです。

台座は少し本来と違う順番や向きのものがありました。どうするか相談し今の状態で修理することになりました。

 

仏像の修理 石川県

 

一度、分解して綺麗にします。その後、破損した部分を直して組み立てます。

 

仏像の修理 石川県

 

あまり多くは公開出来ませんが綺麗になりました。

 

お客様も喜んでいただき嬉しい限りです。ご縁をありがとうございました。

 

問い合わせの際は、メールまたは電話でご連絡下さい。

MAIL:toshiharu.sakagami@gmail.com

 TEL :076-207-4672

 

2024年

1月

12日

能登地震復興支援について

『報告』

最新情報

 

6月30日

能登半島穴水町の寺院

仏像の応急処置活動 (前回とは違う場所です)

国の文化財レスキュー事業です。

 

仏像の破損もありますが、やはり光背の破損はどこのお寺様に行ってもあります。

一つ一つ集めて丁寧に膠で元の状態にしていきます。

 

無事に納まりホッとしております。次回は8月になります。まだまだ多くの要請がありますので力になれるよう努めていこうと思います。

 

 

 

6月15日

能登半島穴水町の寺院


仏像の応急処置活動がスタートしました。


国の文化財レスキュー事業です。


 

当工房のメンバーを総動員して取り組んでおります。支援金は美大生スタッフの交通費に使わせていただきました。

 

ご支援ありがとうございます。

 

 

2024年2月4日  

 

皆様から頂いた支援金は輪島の職人さんへ寄付させていただきました。皆様の支援に大変感謝しております。

また、お世話になっている金沢市のお寺へ仏像の修理ボランティアもさせていただいております。同じ石川県民として能登地方の復興を一刻も早くお祈りしております。

 

復興は長期になりますので、こちらも支援は続けていきます。

 

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2024年

1月

09日

安否報告

お知らせ 



今回の地震に伴い

多くの心配のご連絡を頂きありがとうございました。

大きな揺れと共に所々ものが落ちましたが大きな被害はありません。

能登地方の被災された方へお見舞い申し上げるとともにこれ以上の彼害がないことを祈っております。

2024年

1月

03日

仏師が彫る手作りの木彫り梟(フクロウ)

今回のお仕事は梟(フクロウ)です

不苦労=苦労しないという当て字があてられ「福が来る」「苦労がない」などを願った縁起物として好まれています。

 

今回のお仕事は知り合いからの注文です。


木彫りの梟を送りたい相手がお医者さんの仕事をしています。


相談した結果、本をめくっている感じのカジュアルな梟になりました。

 


大まかな形どり状態です。


綺麗にして目を入れ刻みを入れます。

 


こういうデフォルメすることはあまりする事はないのですが可愛らしいのが出来ました。


喜んでもらえると良いな。

2023年

12月

03日

仏像修理 富山県のお客様

 

前回の続きになります。前回の続きが見たい方は過去の投稿をご覧下さい。

 

続きはこちら→ 前回のブログ

煤を落としていくと元の金箔が見えて来ました。

 

 

手を外していきます。破損している手も数本ありました。手を外す時は慎重に行わないと破損するので緊張します。

手は金箔が無いので、新しく貼ります。

 


金具は錆落としをすると綺麗になりました。ただ破損している部分もあるので修理していきます。

 


手は新しく金箔を漆で貼りました。

 


全て取り付けます。仏様が嬉しそうに見えます。

 

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2023年

11月

29日

仏像修理 富山県のお寺様

今回は修理のお仕事を説明します。

富山県のお寺様からのご依頼です。


千手観音像と厨子になります。


修理は状態やご依頼主の思いによって仕上がりが毎回変わります。


よろしければ最後までご覧下さい。

 

 


まずは現状確認です。 

千手観音像は煤で黒くなっています。割れや腕の破損、金具が無い部分もありました。


今回は破損や無い部分を修理し煤も落とします。煤のある状態が良いというケースもありますが、今回は金箔の仏像であるので煤を落とし古色仕上げをしていきます。


なるべく今までの歩んできた仏像の歴史を維持するため、状態の良い部分は残しその雰囲気に合わせていきます。


 

こちらは厨子。

扉がうまく開かない所がありました。全体的に割れと歪みがあるのが原因でした。金具も劣化していました。


こちらは相談した結果、漆の塗り替えとなりました。内部は黒で金箔の仏像がひき立つようにします。


そして外側は朱塗りです。ただの朱塗りではなくあえて艶を消す艶消し技法を使います。こうすることにより朱色の深みが増して重厚感のある落ち着いた厨子になります。


個人的には漆の艶消し仕上げが好きなので気持ちが高ぶります。


 

先ずは千手観音像の煤落とし。仏像が傷まない方法を考えていきます。


本を読んだり知り合いに聞いたりしました。貴重な技術を教えていただき感謝しております。

ありがとうございました。



 

煤を落とすと割れが出て来ました。

こうした部分は新しい木を埋めて漆を塗っていきます。


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